飯久保廣嗣 Blog

最近気になる出来事

昨年11月、上海技術交易所の招きで上海を訪れたときに、上海大学の工学部の教授と「クリティカルシンキング」について話す機会がありました。このチャンスを利用し、私は「中国では、知識と知恵を区別しているか」という質問をぶつけてみました。これに対してその学者は即座に、「中国では知識と“智力”を区別している」と返答。そこで、あつかましくも、「では、智力の定義はどのようなものですか?」立て続けに聞いてみました。これに対する回答。それは実にビックリするものでした。

良し悪しは別にして、日本人は、完璧を追求する傾向が強すぎるのではないでしょうか。例えば、企画立案に対して、それをチェックする立場の人は常にこう念を押します。「この案で問題はないよね。完璧だよね」と。

米国産牛肉の輸入がついに解禁されました。しかし、報道によると、「米国産は買わない」という消費者が少なくないようで、売れ行きは芳しくないと聞きます。米国は、「買われないのは、規制などのnon-tariff barrier(非関税障壁)があるからではないか」と、発想する可能性があり、私はそれを危惧しております。

今回は、政治やビジネスから離れて、日常生活で論理的思考を適用した場合のケーススタディをお話します。

あなた(夫)に勤続25年の見返りとして、会社から2週間の特別休暇が出たとします。家族構成は、妻に、大学3年生の長男、大学1年生の長女、そしてあなたの年老いた両親。両親は病弱でともに病院通いの身です。

今年のサミットで発生した問題の中に、中ロの台頭、そして日米同盟がもたらすこれからの変化があります。9月に誕生する新総理の方針によっては、日米同盟に若干の調整があるかもしれません。情報もなく外交問題のシロウトの私が意見を述べる資格はありません。ただ、今後の外交(外国交際)に対して一国民としての意見を発信したくなりました。

私には、日本人と、欧米人や一部のアジア人の議論の展開方法がこれほど違うものかと、思い知らされた経験があります。それは、私の母校(米デポー大学)で、意思決定に関する客員教授を引き受けたときのことです。

授業時間は110分。1日2コマ、週5回を4週間というハードなスケジュール。生徒は学部4年生16名。ご存知のように欧米では先生を交えた議論により授業が進行します。最初に先生はたたき台としてA4・1ページほどのケーススタディを提示し、それについて生徒間で議論をさせることから始めます。