飯久保廣嗣 Blog

2007年06月25日

私の尊敬する友人であり、長年にわたりお付き合いさせていただいた人生の先輩が、先日、76歳で亡くなられました。昨年10月に発病、入院されて、約半年で帰らぬ人に。本人は、延命のための措置を一切拒否し、天寿を全うされました。

最近偲ぶ会が開かれ、私も参席しました。日米、日台、日韓関係等、日本の外交を陰で支えた人物ということもあり、安倍総理をはじめ、麻生外相や谷垣前財務相も献花に訪れていました。そのほか米国、アジア諸国からも多くの弔辞が寄せられました。

2007年06月18日

世界のどの国でも、外交は利害関係の対立から緊張や論議をもたらすことが当たり前で、友好関係が損なわれる場合もあると認識しなければならないと思います。それ故に関係する当事者の意思決定や決断は合理的であり、そしてスピーディーです。

ある講演会で米英関係の話を聞いたとき、米英同盟は常に緊張と対立の連続であると講演者は言っていました。また、これはアジア諸国でも同じことであり、例えば米韓関係では、韓国はFTAで米国と対立しましたが、合理的な判断を下し、短期決着を実現しました。よほど混乱に陥っていたり、一歩も譲れない利害対立がある場合は別にして、欧米でも、アジアでも、その他の地域でも、ほとんどの国が緊張感を持ってスピーディーな解決を図っています。

2007年06月11日

最近内閣に設置された会議に「イノベーション25戦略会議」というものがあります。座長の黒川清氏(内閣特別顧問)は、あるインタビュー記事で、イノベーションについて次のように発言されています。「イノベーションは『技術革新』と思われがちだが、それは、イノベーションのほんの一部でしかない」。

一般に「創造的破壊」と訳されるinnovationは、オーストリアの経済学者が初めて提唱した考え方です。東大医学部卒で、日本学術会議会長や総合科学技術会議議員、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授を歴任された黒川博士は、イノベーションについて、「成長し、ある程度保守的になる状況で、それを中“in-”から壊す結果として新しい価値、製品、サービスなどが出てくる。つまりそういう壊す人が出てこない社会、企業は駄目になる」と言っているのです。

2007年06月04日

10数年前にある日本のシンクタンクと共同作業をしたときのことです。このシンクタンクはある省庁からプロジェクトを受注し、私たちがお手伝いしました。内容はある国家プロジェクトの推進に関わるものでしたが、作業を進めているうちに、目的が不明確になってしまいました。いつの間にか、この計画自体が不適切であるにも関わらず、それを適切であるかのような説明をするために、どのような裏付けやシナリオを作成すればいいかというものにねじ曲がってしまったのです。日本にはこのような現象が数多く見られます。それはなぜなのでしょうか。