飯久保廣嗣 Blog

今回は、政治やビジネスから離れて、日常生活で論理的思考を適用した場合のケーススタディをお話します。

あなた(夫)に勤続25年の見返りとして、会社から2週間の特別休暇が出たとします。家族構成は、妻に、大学3年生の長男、大学1年生の長女、そしてあなたの年老いた両親。両親は病弱でともに病院通いの身です。

妻は10日間のヨーロッパ旅行を提案。子供も同調します。しかし、あなたとしては、病弱の両親を置いて海外に出るのは非常に心配です。ほかに頼れる親戚は近くに住んでいません。

選択肢は3つしかないでしょう。1つはあなたは参加せず、残って両親の面倒を見る。2つ目は、国内旅行を提案する。そして、3つ目が、両親を置いたまま家族4人で旅行に出る。結局あなたは両親を残し家族4人で海外に行く決断をします。

さて、この場合、あなたは次にどのような発想をするのが適切でしょうか。最も求めらる発想は、旅行中に起こりうる複数の事態の想定と対策の立案です。例えば、両親いずれかの体調が悪化した場合にどうするか。対策としては、「主治医に日程を知らせて、万が一の場合の対応をお願いする」、「ご近所の奥さんに日程を示し、緊急の場合の対応を事前に伝えておく」、「近隣の友人に日程を伝え、緊急事態への対応を頼む」などが挙げられます。そのほかにも想定される事態を複数列挙し、それに対する対策を予め立てておくことで、家族は安心してヨーロッパ旅行に出発できるようになります。

このように論理的思考をプライベートにも活用するという発想を持てば、難解な問題や心配事が減り、より充実した人生を送れるようになるのではないでしょうか。