飯久保廣嗣 Blog

日本の平均的ビジネスマンは、英語の教育を、大学を入れれば8年間受けている。この間に英語に関する基礎知識を充分に学習している。さらに社会人になってからも英会話の習得に、多大な投資をする人たちもいる。

それにも関わらず、なぜ自分たちは英会話が上達しないのかと、悩んでいる。その結果、「聞き流すだけで英語がしゃべれる」といった、幻想に近い商品に惑わされるケースもあるようだ。「聞き流すだけ」に、「画像も見ながら」を入れれば、さらに効果的か。そうであれば、週に10本の映画鑑賞を数ヶ月続ければ、英会話が上達することになる。このようなことは少し考えれば現実的ではないことがわかる。

英会話の上達は、大変な根気のいる作業である。まず、その出発点において、発想をイノベーティブに転換する必要がある。いくつかのヒントを述べたい。

①英会話と質問
英会話では自分の主張を表現することよりも、相手に話させるために有効な「質問力」を身に付けることが鍵となる。英会話は相手に質問をすることから始まるといっても過言ではない。英語による自己表現に自信がないという人は多い。しかし、英語で質問をすることに自信がないという人は少ないだろう。まず、質問をいくつか想定しておき、相手の立場や状況により、臨機応変に使いこなす。この姿勢が重要である。

②マイペース会話
英会話のレベルを自分のペースに持っていくこと。自分が初級の実力であれば、そのペースで英会話を進めていくことである。相手のレベルと合わなければ、例えば、「もっとゆっくり話してください」、「難しい単語は使わないで下さい」、「日本人にわかるような発音をしてください」と要求する。

③発信力
英会話における声の大きさは、意識して日本語を話すときの3倍にすること。それが英会話能力を超えた「自分を発信する」ということにおいて、自信につながる。場合によっては、日本語交えてもかまわない。

④議論
議論とケンカを分けて考えることである。英会話の中で相手の意見に同意できない場合、日本人は相手の意見に自分を合わせてしまう傾向がある。これは波風を立てない、対立を防ぐといったことからくるのだろう。議論は決して人間関係や友情を壊すものではないという認識を持つべきである。例えば、「私の意見は………であるから、あなたと違う。なぜなら………という背景や根拠があるからだ」といった、議論、主張が必要であり、それが、欧米人やアジア人と英語で渡り合うためのスキルを磨くことにつながる。

⑤日本語による日本人のための英語
最後に、英語を正確に話す「ネイティブスピーカーシンドローム」からの決別の必要性をも付け加える。“th”は舌をかまなくてもいいし、“r”は舌を巻く必要もない。“f”や“v”は唇をかむ必要はない。何故なら、英語が国際語であるならば、イギリス英語やアメリカ英語はその「1つの方言」であり、それを猿まねする必要は必ずしもないと考えるからである。従って、日本的な英語でも一向にかまわない。自分の話す英語を、発音を気にせず、関西弁や東北弁くらいのつもりで、とにかくパワフルに発信することが必要なのである。
インド、中国、シンガポール、イタリア、イスラエル、等の人々の英語は、内容はともかく実に力強い。