飯久保廣嗣 Blog

本日(7月9日)のラジオ放送で、「麻生総理が米国オバマ大統領と30分の首脳会談をした」と報道された。そのこと事態はニュースに値するが、両首脳がなぜ会談したかという背景をどうしても考えてしまう。

米国側は上記報道の中身からみて、日本側の顔をつぶさないために、会談を持ったのではないかと思われて仕方ない。なぜならば、ラジオ放送によると、両首脳は、「北朝鮮に対する日米の確固たる抗議の姿勢の確認」、「地球温暖化に対する日米の協力の確認」の2項目について合意を得たと報道されているからだ。

あまり言いたくはないが、両首脳の合意項目はどれほどの意味があるのだろうか、と考えてしまう。私が、麻生総理が言ってほしかったことは、「オバマ大統領が抱えている大きな問題に対して、日本政府もできるだけの協力をする用意がある」ということである。

例えば……

◇核拡散防止の国際協力に、唯一の被爆国である日本が応分の役割を果たす用意がある。
◇世界同時経済危機に対し、継続した両国の協調を維持する。
◇アフガニスタンに対し、日本国は戦争状態の収束を図るために最大限の外交努力をする。
◇途上国の人材開発・育成に日本は積極的な具体案を提示する用意がある。
◇中国対応について米国と日本は共通のアジェンダを設定する。
◇アジアにおける経済発展の日本の役割を明確にし、それを実行する。

など、発信するテーマはいくらでもあったのではないか。

このことを考えると、麻生総理が、オバマ大統領に会った目的は何かと思ってしまう。単なる自己アピールと、自民党の外交手腕に関する広報活動に過ぎないのではないか。そのあたりを、メディアがぜひ取り上げて、本質を論じてほしいものだ。