飯久保廣嗣 Blog

我々が、目指す論理思考の強化は、言い換えれば、グローバル・スタンダードである標準的な思考様式を理解し、それらの“Why”を明確にして、実践に活用できるツールとして身に付けることにほかならない。

そして、日本的な思考様式にある、さまざまな知恵や考え方を、再編成すると、自ずから論理的な思考様式が確立できることを認識したい。論理的な思考様式は、西洋からの輸入品ではなく、我々の経験がそのベースとなるのである。この領域における日本の弱みは、判断業務におけるさまざまな知恵が、体系的に整理されていないことである。

では、今回は優先順位の“Why”について考えてみる。なぜ我々は優先順位をつける必要があるのか。それは当たり前のことであるが、限られた経営資源(人、モノ、カネ、時間、技術、情報、場所など)を有効活用するためである。例えば、重要度や緊急度がともに低い案件を分析し、対応策を立案することは、必ずしも合理的とはいえない。

ここで、注意すべきことは、優先順位と意思決定とは区別して考える必要があることである。優先順位とは、直面する状況の中で複数の問題や課題があった場合、どれから手を付けるかの判断をするに過ぎない。これに対し、意思決定は、決定事項に対して、複数の選択肢を立案し、最適なものを選ぶという分析行為なのである。必要であれば、このようなことも充分に意識したい。