飯久保廣嗣 Blog

平均的な日本のビジネス人の基礎英語力(読み書き・文法)は、他国に比べて引けをとらないと思う。問題は、この基礎英語力が、コミュニケーションの手段としての英会話に結びついていないことである。

そこで、表題について実践に役立つような発想やヒントを提示したい。英会話の主な目的を大別すると、①よき人間関係をつくるための英会話力②会議などで議論をする場合の英会話力、そして、③グループで問題解決を図るための英会話力、となる。例えば、友人・知人との英会話は①であり、国際会議での議論に参画する際は②であり、国際的な場面での問題解決を進めるときには③となる。

ここでは、上記の②、③について若干の参考となる考え方を述べてみたい。このことは、基礎英語力をどのように生かしていくかということになる。ちなみに、われわれ日本人は、基礎英語力とともに、基礎的な論理力があることを認識しておきたい。この裏付けは、日本人は、技術力や数学・物理分野における能力が高いことということだ。

日本人の問題は、英語にせよ、論理にせよ、目に見える部分では能力を発揮できるが、目に見えない部分が暗算思考になっていることである。別の表現をすれば、問題解決力/意思決定力は一種の名人芸と捉えられている。名人芸は口伝・秘伝の領域であり、効率よく伝承していくことは難しいと思われている。この領域をモザイク社会の米国は共通思考方式の必要性から体系化したと考えている。

このようなことから、われわれの思考様式に体系化された論理思考を取り入れることにより、英会話力の強化につながると私は確信している。

では、なぜ論理思考力を高めると、英会話力が強化されるのか。それは、グローバルのデファクトである「論理思考」を自身の中に構築することで、国際的な場面においてどのような思考手順により議論が展開されているか、その大まかな道筋を読むことができるようになるからである。それによって、現在の英語力に関係なく、発言・発信することがより容易になるのである。

では例えば、意思決定の場面において、どのような思考工程があるのだろか。それは、次回に譲ることとする。