飯久保廣嗣 Blog

5月22日に、「消費者行政推進会議」なるものが、発足したと新聞は伝えている。「消費者庁(仮称)」創設のための準備機関としての位置付けのようだ。

これは必要があってのことだろうが、最近この手の推進会議や諮問委員会の類が乱立している。1人の国民から見た場合、これらの会議や委員会が、なぜ設置されたのか、また、普段どう活動し、どう機能しているかが、なかなか見えてこない。国民の税金で設置されているこれらの会議・委員会が不透明なのは由々しき事態ではないか。

そこで、国民の知る権利として、これらの委員会が設立された時点で、次のことを求めたい。

1.当該会議・委員会の目的と機能、将来的にどういった報告書がまとまり、それがどのように使われるかを示す、わかりやすい概要書の提示
2.委員の人選基準の公表
3.委員の任命権の所在、報酬、任期の公表
4.座長の人選基準の公表

まず、これらを国民に開示することが重要となろう。そうでなければ、国民は水面下で知らぬ間に事態が動いているような印象を受けることになる。

さらに、課題や議論のポイント、その時点で見えてきた解決策の提示などを、会議や委員会開催後などのタイミングで、随時国民にわかりやすい形で公表することも必要だろう。誰しもがパッと見て理解できるようなワンペーパーのレポートでいいと思う。それを官邸のホームページなどを通じて、公表するのである(一部あるようだが、まだ不十分である)。

ただし、これらのことを開示してもまだ疑問は残る。それは、多くの場合、任命された委員は、いわゆる有識者が多い。このような会議や委員会にこそ、有識者のほかに、政治家も官僚も一般国民も参加して、多方面から意見をぶつけたらいい。それでこそ、「本物の議論」ができるのではないか。

優れた経営者の視点も欠かせない。学者だけでは、国の「経営」に関する議論はできないと考える。消費者行政推進会議には、経営者も参加しているようだが、国の経営については、よりプロの経営者の参加機会を多くし、実効性の高い提言に結びつけることが肝要となろう。