飯久保廣嗣 Blog

皆さんは、意思決定という言葉を辞書で引いたことがありますか。驚くことに、現時点で、広辞苑や大辞林第1版にも、また電子辞書にも「意思決定」という言葉は出てきません。これだけ社会通念語として日常生活や経営活動に用いられる言葉なのですが……。一般的に意思決定とは、物事を決めたり、判断を下したり、二者択一の状況に結論を出したりすることのようです。

この小文を書いている時に、念のためYahoo辞書で調べたところ、やっと今日使われている意思決定の定義が大辞林第2版にありました。それは、「ある目標を達成するために、複数の選択可能な代替的手段の中から最適なものを選ぶこと。デシジョン-メイキング。」でした。

この定義は私が30年前に米国のあるセミナーで学習したものと、内容的には同じでした。そしてこれは欧米はもちろんのこと、アジア諸国においても共通の定義であります。意思決定については、単なる「物事を決める」というのではなく、大辞林第2版の定義を正しいものとして認識したいものです。

一方、私が調べたところ、西洋文明の影響を受ける以前の日本人は、この意思決定を、3分類して使い分けていたようです。この3分類のひとつは、「極(キ)む」。将来を見極めるということであれば、今日の言葉では、戦略と言い換えられるでしょう。次は、「決(キ)む」です。これは知識や経験で判断する領域と言えるでしょう。そして、最後は、「定(サダ)む」です。これは、部落の長を定むというように、複数の選択肢の中から、最適な案を選ぶというチョイスを指します。

日本人の先達は、このようにいわゆる意思決定を目的別にきちっと分けて、活用していたようです。現代においても、「ものを決めるという状況には3つの分類がある」という先人の知恵を、再認識したいものです。