飯久保廣嗣 Blog

人間には理性があります。理性は英訳すると、“REASON”となります。REASONは、学校などでは「理由」という訳しか教えてもらえませんが、理性という意味もあるのです。

そして、さらに英英辞書でREASONの意味を調べると、「一貫性を持って論理的に思考し、知り得た事実から結論を導き出す」など、思考に関わる奥深い定義に出くわします。また、その形容詞である“REASONABLE”は、「許容範囲内の、節度のある、穏健な、思慮深い、奉仕的な、賢い」といった様々な意味があります。

広辞苑による理性の定義が「概念的思考の能力、実践的には感性的欲求に左右されず思慮的に行動する能力」と、非常に分かりにくいのに比べて、英語における定義は具体的かつ明快で、本質的であると私は思います。欧米人がいかにREASONを大切にしているかが伝わってくるようです。

さて、今回私がなぜREASONを取り上げたかというと、この国際的に認知された考え方を無視するかのような行動に出る国があるからです。果たして、彼らの言動、行動にはREASONやREASONABLEはあるのでしょうか。これは、外交問題にシロウトな国民でも、発信をしなければならない案件です。

日本でも最近「理性」という言葉が聞かれなくなってきています。彼の国を他山の石として、日本人も今一度、人間にとって最も尊重される概念の一つである「理性」、すなわち、「論理的に筋道を立てて物事を考えること」について、見直す時期に来ているのではないかと、私は思います。