飯久保廣嗣 Blog

最近、我が国の知的業務の効率を向上するための標語として、「見える化」や「暗黙知を形式知に」といった表現が使われ始めています。それを実現するために、優秀な人材の考え方のエッセンスを共有したり、複雑な状況をシンプル化して解決する必要性が、各企業で異口同音に言われています。

実は、この分野は、米国のビジネススクールがMBAにおいて数十年の実績を持つところです。我が国においても、私を含む実務家が、この領域を事業として展開し、評価を得てきました。

そこで、「見える化」を具体的に実務に適応するためにはどのような能力が必要か、思いつくままにまとめてみました。

①直面する複雑な経営状況を具体的な複数の経営課題として発想する能力
②膨大な経営課題を処理する際の優先順位の根拠を整理する能力
③解決すべき諸課題に応じた分析の進め方のプロセスを構築できる能力
④錯綜する状況下で意思決定のテーマを明確に発想できる能力
⑤立てられた仮説を検証するための事実関係を整理できる能力
⑥リスクへの対応を要する場合に有効な対策を講ずるためのプロセスが構築できる能力
⑦リスクを起こりうる問題と想定しその大きさや起こる確率を判断できる能力
⑧不良不具合の発生の原因究明と再発防止のための段取りを組める能力
⑨新しい状況に直面したときにどのように処理したらよいかの段取りが組める能力
⑩「見える化」に関する思考作業を推進する際に鋭い質問ができる能力

上記以外にも必要な能力があると思いますが、これらを一つのシステムとして頭の中に構築するためには、確立されたメソドロジーが必要であります。ようやく社会の認識が高まってくる中、私も、この分野の論理武装支援を通じ、これからも企業や社会全体の活力化に貢献できればと考えております。